特別読切 続編「3人のゴースト」 スピンオフ 7話「お坊さんと灯台守とお誘い」
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投稿日時 2020-10-16 1:50
soul
ONEP.jp七武海
(居住地: 新世界の暗黒島 海岸で刀の素振りをしている。)
投稿数: 1300


宣伝掲示板
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― 中心街 南西部 占星術館 ―
ある日の昼下がり、週に一度の定休日で占星術館には客も弟子のユズルハを含めたアシスタントも誰もいない。
館主のリョウは、事務机に頬杖をつき、すぐ近くの応接用ソファで転寝をしている丸刈りの小柄な青年を眺めていた。
???A「ZZZZZZZZZZZZ」
リョウ「........」
リョウはしばらく眺めていたが、何の動きもないことに飽きてしまい、ソファへと近づいた。
ペシペシッ
リョウ「ねえねえ。」
ペシペシペシッ
リョウ「ねえったら。」
???A「んん、やかましいなあ...」
丸刈りの青年は、やおらリョウの手を払いのけて身体を伸ばし始めた。
リョウ「やっと起きてくれた、おいちゃん。」
???A「おいちゃんじゃねえって、ワシにはタックって立派な名前があるっつーの。」
タックはボヤキながら頭を擦り、皺が寄った黒色の法衣と黄金色の袈裟を整えた。
リョウ「相変わらずな破戒ぶりだね、お坊さんなのに。」
???A=タック「お前な、ワシはただのお坊さんじゃなくて僧兵。戦うお坊さんだぞ?あと、ワシはせいぜい食べ物の戒律を破ってるくらいだよ。」
リョウ「ふーーーん。」
タック「その興味ない感じの返事やめい。」
リョウ「ま、いいや。あのさ、久々に感謝祭やりたいんだけど手伝ってくれない?」
タック「やだね。」
そう答えてタックは頭を擦り叩いた。
リョウ「即答すんのやめてくれない?やる気なくなるから。」
タック「お前のことだから、ワシがほとんどやるんだろ?」
リョウ「いやいや、一応今回はお店を始めた日と同じ日にやるから、俺が主体でやるんだよ。」
タック「めずらしっ、こりゃあ雪でも降るかあ?」
リョウ「だからそういうこと言うなって。」
タック「お前が主体でやるんなら、奴さん達の手伝いも必要じゃねえのかい?」
リョウ「そうだね、一応連絡してみるよ。」
リョウは仕事机に置いてある大型電伝虫で連絡をし始めた。
~ 時は少し遡る ~
― マーロン島 海岸付近 灯台 ―
この島には偉大なる航路の新世界では珍しく灯台が建っている。この灯台には先祖代々、灯台守として生活をしている者がいる。
その灯台の入り口付近に、自然にできた石の椅子に座って海を眺めて図表を書き込む青年がいた。
???B「午前中の海は、海王類の顔出しとちょっとの大波で済んだくらいだな。今日もここらの海は平和、と。」
青年は独り言を呟きながら灯台へと入っていった。
ザッ!
ザッ!
ザッ!
その人物の元へ、一人の男が来た。彼は左腰にカトラスを差していた。
ガチャッ!
???C「こんちは、今日の海はどうだ、マーサ?」
???B=マーサ「お、ライトニングか!久々にここに寄ってくれたんだな。」
???C=ライトニング「まあな、数日で戻ってくるのを繰り返してたけど、そろそろまた長い航海になるだろうから久しぶりに。」
マーサ「そうかそうか。ここ何日かは特に時化もないし、海王類も海面に顔出すくらいで問題はないぜ。」
ライトニング「じゃあ、出航するなら今の内のほうがよさそうだな。」
マーサ「名残惜しいならお前さん、アイツに会ってやんな。占い館で寂しがってるぞ。」
ライトニング「寂しがってるうちはまだまだひよっこだから会わねえって伝えとけ。」
マーサ「まったくお前さんも相変わらずだな。」
ライトニング「ふふっ、ああやっていじってるほうが楽しいんでね。じゃあな、サンキュ。」
マーサ「おう、また来てくれよ。茶くらいなら出すから。」
ライトニング「ああ。」
ガチャン!
ライトニング「んん....さてと、出航するか。」
マーサ「よし、そろそろお昼にするかな?」
プルプルプル!プルプルプル!
マーサ「はいはいっと...もしもし?」
リョウ「やった、マーサだ!久しぶりー。感謝祭、久々にやるからチームメンバーとして手伝ってくれない?」
マーサ「お、あれをやるのか。いいぜ、子供いるから手離せないけど少しだけ手伝うから。」
リョウ「やった、ありがと!」
マーサ「俺に連絡するってことは他の奴らには連絡済みなのか?」
リョウ「いや、これからだよ。結構集まる気はするけどね。」
マーサ「そうか、わかった。」
リョウ「詳しいことはまた後で連絡するから待っててくれよ!」
マーサ「ああ。」
ガチャ!
マーサ「久々にあいつらに会えるのか...楽しみになってきたな!」
― To be continued ? ―
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